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25 January 2006

鍼治療は本当に効果があるのか?

今日、BBCでとっても興味深い番組を放送していました。
Alternative Medicine(代替療法)=西洋医学以外の治療法を取り上げるシリーズの第1回目で、
針治療を取り上げて、分析していました。
日本人には結構なじみがある鍼治療ですが、イギリス人は知らない人も多いのでしょう。
1時間番組の最初の半分は、「鍼治療とは何ぞや?」という内容で、
特に目新しい情報はありませんでした。

私が惹きつけられたのは後半の20分でした。
鍼治療が痛みを和らげる効果があるということを取り上げたあと、
「では、どのような働きで痛みを和らげるのか?」ということを、
生物学的、科学的に分析してみようという実験を行ったのです。
この実験は、鍼治療師と脳神経科学者、神経生理学者などが集まって行われ、
鍼を打つことで、脳の機能がどう変化するのか?ということを、
最新の技術=脳のMRI(磁気共鳴画像法)を使って調べたのでした。
MRIの中に入った治験者に、鍼を打ちます。
チクッとした刺激だけが伝わる程度の浅い打ち方と、ズーンとツボの奥まで響く打ち方をした場合で、
脳の反応がどう違うのかを比べていました。

浅いうち方では、脳の表面の前部が広く活動しているのが分かりました。
これは大脳皮質の分野らしく、「刺されたな」とか「チクッとするな」とかいう知覚を感じる部分も含まれているようです。
これに対して、深く刺した方では、脳の中心部、特に辺縁系と呼ばれる部分の活動が抑えられているのがわかりました。この部分は人間の本能的な行動や情動(快、不快、怒りや恐怖、不安など)、が学習と短時間の記憶に関係している、原始的な脳の部分と言われています。
痛みは最終的にここで不快なものと認知されます。
科学者たちは、この部分の活動を抑えることで、痛みの感じ方を変化させる(少なくする、または不快なものではなくなる)のではないか?と推測していました。

これは、とても興味深い実験結果です。
もし、鍼治療によって脳の辺縁系という部分が抑制されるのであれば、
問題行動の抑制にもつながるからです。
犬や猫の攻撃行動や不安、恐怖などの行動は、まさにこの部分が関係しているのです。
ですから、鍼治療によりこの部分の活動を抑えることができれば、
行動治療にも大きな効果が表れるかもしれません。
今後の研究に期待したいですね。
この実験についての記事は、こちらに載っています

そしてもうひとつ・・・
実は私自身が、鍼治療経験者なのです。
結構慢性的な肩こりや腰痛に悩まされていて、どうにもつらくなると鍼を打ってもらっています。
そして、鍼治療をした後は、とっても眠くなって「もう仕事や勉強なんかしたくなーい!」
とベッドに入ってぐっすりと眠ってしまい、
それから1日ぐらい経つと頭がすっきりして、痛みも和らいでいるのに気がつきます。
鍼を打った直後は、確かにイライラしないし、何だかホンワカした気持ちになります。
なるほど、これは辺縁系が抑えられているせいなんだ・・・
なんて、次回の鍼治療の時は考えてしまいそうです。
でも、本当はそんなことを考えず、ひたすら頭を休めて、リラックスするのが、
何よりも一番いいんでしょうねぇ~。

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Comments

この番組を私も見ました。家のワン子が日本で、腰が悪いので、鍼治療をしてましたので、興味がありました。でも英語力がいまいちなので、およそは理解できてもちょっと不安だったのですが、よくわかりました。ありがとうございます。

Posted by: ヒロリン | 27 January 2006 at 09:54 PM

ヒロリンさん、こんにちは。ヒロリンさんのワンちゃんは鍼治療で随分回復したのですか?動物の鍼治療は私のいるMedivetでも行っているのですよ。でも、まだ飼い主さんの認知度と治療に対する信頼度が低いので、なかなか受ける人が少ないのです。この番組がきっかけになって、もっとたくさんの犬や猫が鍼治療の恩恵を受けられるようになるといいなと思います。

Posted by: HITOMI | 29 January 2006 at 08:29 AM

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