病気を行動として考える
病気であるというのは、どういうことなのでしょうか?
人間の場合、「病気って何?」と聞かれれば、
人それぞれ解釈は違っても、何かしらそれに対して説明をすることができます。
犬や猫は「病気」という言葉も、その定義も知りません。
ただ、自分が今、感じていることを感じ、
その感情に従って行動します。
「病気である」ということは、言葉ではなく行動で表現することになります。
そして飼い主は、自分の犬や猫が病気かどうかを、
その行動で発見することになります。
たいていの場合、いつもと違う行動に気付いた飼い主が、
動物病院に相談し、そこで診察や検査をすることで、
最終的に病気であると確認されるわけです。
獣医師は、飼い主が動物を病院に連れてきた時点で、
それが「病気」の行動なのかどうかを判断し、治療をします。
そう考えると、病気の治療とは、
問題行動(飼い主が問題だと思う行動)の治療とほぼ同じことになります。
だからこそ、獣医師はもとより、飼い主も、
動物の行動に対する適切な知識を身につけておいた方がよいのです。
そして、病気そのものを治療するのではなく、
病気の行動をしている動物の行動を、健康な時の行動に戻してあげることこそ、
本当の意味で病気を治療するということにつながるのではないでしょうか?
動物の行動は体の中からのシグナルだけでなく、
体の外から受ける様々なシグナルによっても大きく変化します。
病気とは、体の中と外の両方のシグナルを動物が感じ、
それに応じて行動し、感情を表現した状態です。
だから、体の中と外の両方からアプローチし、
その行動を変える必要があるというわけです。
治療とは、単に動物の体の機能回復に加え、
動物の行動を変化させるために、彼らに接する人たちや周りの環境など、
全てのことをケアし、変化させていくことなのです。
今までこのコーナーでいろんな症例を紹介し、いろんなことを考えてきました。
私は、犬や猫には感情を行動で表現する力(心)があり、
病気はその心の動きとしっかりつながっているのだと思います。
これからも、犬や猫たちの心と体の両方をケアすることをモットーに、
病気に苦しむ犬や猫を治療するのと同時に、
病気で苦しむことを防ぐ(予防する)手助けを続けて行きたいと強く感じます。
さて、仕事と大学院の勉強の両立に専念するため、
このコーナーは、今回をもちましてしばらくお休みさせていただくことになりました。
今までご愛読いただき、本当にありがとうございました。
なお、もうひとつのブログである、「つれづれ日記」は、これからもUPしていく予定です。
今後もし、興味深いケースがあれば、そちらで紹介していきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

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